さしも知らじな 燃ゆる思ひを

自担が三十路になりました

1年半ぶりに自担に会いに行ったのに自担いなかった

待ちに待った藤ヶ谷くんの舞台「そして僕は途方に暮れる」を観劇しました。

簡潔に感想を言うと、めちゃめちゃしんどかった…

そんな感じでネタバレあります。超あります。






初日のワイドショーで藤ヶ谷くんを見てすごくやつれてて心配して、本人の口からも2,3キロ痩せたという発言があって「大丈夫かな」って思ってたけど、そりゃ痩せるわ…あの役をこれから4月の千秋楽まで演じ切るのかと思うと、役に飲まれてしまうのではないかと心配ですが、無事に怪我なく健康で、これ以上痩せることなく千秋楽まで走り切ってくれることを願うばかりです。

 

さてさて、私にとって2016年のツアー「I SCREAM」の東京ドーム以来1年半ぶりの自担。主演舞台が決まった日からずっとこの日を待ってました。観劇の1週間前からツアーDVDをひたすら見続ける日々。観劇の前3日は舞台のことばかり考えて毎日藤ヶ谷くんが夢に出てくるほど。狂ってる。最高。

ツアーの時はいつも、最初の登場でどれだけ藤ヶ谷くんが遠くて豆粒でも、同じ時を同じ空間で共有してる!という言いようのない感動で泣く、気持ちの悪いオタクなので、こんなに渇望してた自担を見るということで相当覚悟をして席につきました。

双眼鏡とハンカチを準備。いざ幕が開きます。

いる!いた!舞台上のベッドの上に気だるげに眠る藤ヶ谷くん!

でもなんだか、藤ヶ谷くんを見ている実感がわかず、ハンカチは使わずじまい。ただただストーリーに引き込まれていく不思議な感覚。そしてしんどい。

舞台が終わり、2度目のカーテンコールで藤ヶ谷くんが一礼して去るその一瞬。藤ヶ谷くんが微笑んだその一瞬で、そこまでの3時間で油断していた私は泣いた。その一瞬だけ私の好きなKis-My-Ft2藤ヶ谷太輔を見つけて、「会いたかった!!!」って頭が理解したころには涙が先に出ていて、藤ヶ谷くんは舞台にもういなかった。その一瞬、少し気を許したようなその一瞬以外はずっと、藤ヶ谷太輔のカタチをした「菅原裕一」でした。分からないけど、コルトがバメンツの時もTAKE FIVEの時も、藤ヶ谷くんを見ている感覚があったのに、今回はそれが全くなくて少し驚きました。終始舞台上に藤ヶ谷太輔はいなくて、いるのは私の知らない菅原裕一だったんです。2,3キロ痩せるほどの彼のこの舞台への取り組み姿勢と覚悟を、そこに見たように感じました。

 

舞台はなんか、自分の身の振り方を考えさせられるような内容でした。

藤ヶ谷くん演じる裕一はクズなんだけど、客観的に見ててまじでクズなんだけど、ところどころで「私にもこういうところあるかも…え、客観的に見たらまじクズじゃん…?」ってすごく刺さる。しんどい。

人によって態度変えるのとか、見栄張っちゃうのとか、誰かがなんとかしてくれるの待ちたい気持つ姿勢とか、クソだけど分かるんだよな〜〜


個人的には、最後に泣いている前田敦子さん演じる里美を見て、裕一を贔屓しちゃう気持ちを一度取っ払って考えたら、「や、仕方ないでしょう。普通に。悪くないでしょ。」って思うんだけど、やっぱり裕一を贔屓しちゃうからなんか腹が立つ。腹立つけどどう考えても裕一が悪いし。でも裕一が可哀想になっちゃうのは、藤ヶ谷くんが演じてるからってのが5割、変わるタイミングを失った彼があまりに悲痛なのが2割、やっぱりどこか彼のクズ具合が全く自分にないわけじゃないから見ていられないってのが3割ですね。30を超えた裕一が今から人と信頼関係を築いて社会人として生きていくのってあまりにしんどい。でも120%自業自得だから何も言えないんですよね。その後味のすっきりしなさがすごい。とりあえずまじで自分の身の振り方を考えますね。

裕一は恋人、家族、親友、先輩、全ての関係を断ち切って逃げて行くけど、逃げ続けるメンタルは凄い強いと思うので逃げ続けてそこで終わったら彼へのイメージもまた違ったし、まだスッキリ見終えられたと思います。でも、1度戻ってしまうのが、どんな理由であれ個人的にはダサくて、でも普通だったらそこをきっかけにして立ち直ってゆくストーリーが待ってると思うんです。なのに最後の結末で結局、あの時勇気を出さずに逃げ続けたほうが良かったのでは、ってなるからまたツライ。恋人や友達と、少し関係を修復出来て、少し希望が見えたのに。個人的には中尾明慶さん演じる伸二くんと仲直りできたのが良かったなあと思ったのに、結局彼に私は終演後一番ゾッとしました。

終演後すぐには気がつかなかったのですが、パンフレットをじっくり読んでて、中尾さんが伸二くんを「誰より菅原にちゃんと向き合ってる誠実さがあると思うんですけど、そういうヤツが実は…って怖さがあります。」と評しているのをみてハッとしました。

「え、確かに…。え、待って、だって裕一が逃げてる間に里美とくっついたのに、裕一と再会した時あの反応だったの?裕一の実家で裕一と別れる時のやり取りは結構グッときたのに、あの時どんな気持ちで言ったの、え、やば…」と大混乱。

でも裕一が客観的に見てクズすぎるし、普通に考えて伸二くんのことは全然責められない。友達が音信不通のクズで、そのクズの彼女が途方に暮れてるのを支えてたらいい感じになっちゃって…ってそっちサイドの話にしたら裕一は悪役でうまい具合にラブストーリーですよね。でもやっぱり里美同様に彼も、再会した裕一にはうまいこと言いながら、それも少し本心ではありながら、結局裕一のことなんて「どうでもよかった」んだなあ、って思ったら、まじツラ…

里美の「裕ちゃんのこと、どうでもよかったの」って言葉がグサッときました。


そして、里美には結構好感を持っていたのですが、最後に泣いて謝るシーンにはイラッとして、こんなに登場人物全員好きになれない舞台はじめてだ、と変な感動すら覚えました。泣くのではなく、自分は悪くない、とあっけからんと裕一に真実を告げる方がよっぽど見てて清々したのに。よく分からないけど、泣いてる里美にはすごくイライラ。


「自分が何もしなくても、周りが何とかしてくれる」これを貫くとこまで貫ける裕一はすごいと思ったし、羨ましいとも思いました。自分が何とかしなくても、周囲が辻褄を合わせてくれる、っていう父のセリフには「その通りだな」と。分かるんですけど、自分もそういう風に生きたら楽だなあって思うんですけど、最後には我慢できなくて自分で動いてしまうので、そんな裕一は羨ましかったです。でもその結果行きつくところが今回の裕一のラストなのであれば、やっぱり他人に何とかしてもらう前に自分でも行動しなきゃいけないんだなぁ、人生って結局面倒になってるんだなぁ、なんて思ったり。

ただ、これだけスッキリしないのに、ストーリーのテンポは良くて、場面転換での音楽や音の使い方も絶妙で、何より日常の会話や間がすごくリアルで、見ていて全然飽きずにどんどん引き込まれていく不思議な感覚がありました。登場人物のしゃべり方の癖もリアリティがあって、愛してやまない自担なのに裕一の気の抜けた「あぁ…」って口癖に何度イライラしたことか(笑)

シュールなのにところどころクスッと笑えるところもあって、裕一に振り回されている周囲もふとした瞬間に滑稽に見えてきて、ユーモアもあるんですよね。本当に不思議な舞台。

藤ヶ谷くんが色んな雑誌で「間」の話をしてたんですけど、確かに会話のテンポや、生活音、そして間がすごくリアルでした。あまりにも裕一が喋らなくて時が止まるような瞬間も、その無音の中に引き込まれるし、舞台だと思うと長い時間だけど、実生活だったら確かにこういうことあるな、って思いました。それを舞台上で演じながら計算してるのってすごくないですか?藤ヶ谷くんの「舞台の生演技」の強さを感じました。

そして脚本が本当にすごい。三浦さんすごい。

 

藤ヶ谷くんは、恋人、親友、先輩、姉、母、そして最後に出会う父、全ての人と1対1で相対して、そして逃げていくので、ひたすら出ずっぱりで、クズを演じてるのに演出は大分スポコンでした。すごぃ…

 

とりあえず私は、役に引きずられずに藤ヶ谷くんには健康な精神を持ち続けてほしいです!超応援してる!!

以上が舞台初見の感想ですが、また見に行くので違う気づきがあるかもしれないですね。希望をどこかに見出すのが目標(笑)でもストーリー知ったまままた見に行くのしんどすぎて藤ヶ谷担のメンタル試されれてる…私はもう伸二を信じられない…

 

 

舞台出演による雑誌ラッシュやらでたくさん藤ヶ谷くんの言葉を摂取して、感じだことや好きだなと思うことや好きだなと思うことや好きだなと思うことなどがたくさん溢れているんですが、舞台初見の感想を2回目見る前にアップしたかったので差し当たって書き連ねさせていただきました!


はぁーー!藤ヶ谷くん応援してるので、なるべく健康的に、あったかいご飯も食べて、ふかふかのベッドで寝て、体重も5キロくらい増えながら頑張ってーーー!

自担が尊くて途方に暮れてるーーー!